コピーレフトって何?

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もくじ


コピーレフトって何?

あるプログラムをフリーにする一番簡単な方法は、 パブリック ドメイン (18k キャラクタ)、すなわち著作権が放棄された 状態に置くことです。これにより人びとは、その気さえあれば プログラム自身と彼らがそれに加えた改良を共有することができます。 しかし、パブリックドメインに置くということは、非協力的な人びとが そのプログラムを 独占的 ソフトウェア(18k キャラクタ)にしてしまうことをも認めるということ なのです。彼らはプログラムに、量の多少を問わず、なんらかの変更を加えて その結果を独占的な製品として配布することができます。 そのように変更された形でプログラムを手に入れた人びとには、 元の作者が人びとに与えた自由がありません。作者とユーザの 中に割り込んだ連中がその自由を奪い去ったのです。

GNU プロジェクトにおける 私たちの目標は、すべてのユーザに対して GNU ソフトウェアを再配布し変更する自由を与えることです。 もし中に割り込んだ人間がそういった自由を奪うことができるなら、 たとえ多くのユーザを得ることができたとしても、それらのユーザに 自由が行き渡ることはないでしょう。 そこで、GNU ソフトウェアをパブリックドメインに置く代わりに、 私たちはそれに著作権(コピーライト)ならぬ「コピーレフト(copyleft)」 を主張することにしました。 コピーレフトでは、そのソフトウェアを再配布する人は変更の有無を問わず、 配布される人にもそれをコピーし変更を加える自由を与えなければならない ということを主張します。コピーレフトによって、すべてのユーザが 自由を持つことが保証されるのです。

また、コピーレフトは他のプログラマたちに、フリーソフトウェアに なにか追加しようという動機 を与えます。GNU C++ コンパイラのような重要なフリーのプログラム が存在し得るのは、ひとえにこのためです。

コピーレフトは、 フリーソフトウェア改良を 加えたいと思っているプログラマたちがそうする許可を得る 助けにもなります。こういったプログラマたちは、 金もうけには手段を選ばない企業や大学で働いていることが 多いのです。 プログラマは自分の変更点をコミュニティに提供したいのに、 その人の雇い主は変更点を独占的なソフトウェア製品に してしまおうと考えるかもしれません。

私たちがそういった雇い主に、改良されたバージョンをフリーソフトウェア として以外に配布することは違法であると説明すると、たいてい彼らは、 むざむざ成果を捨ててしまうよりはそれをフリーソフトウェアとして リリースする方を選びます。

プログラムにコピーレフトを適用するため、私たちはまず それに著作権を主張し、その上でユーザの権利を保障する法的手段として 配布条件を指定します。 当該プログラムのコードおよびそれから派生したいかなるプログラム に対しても、使用、変更、そして再配布の権利を与える、ただしこの配布条件を 変更しない限り、というのが配布条件の内容です。 これによって、コードと自由は法的に分かち難いものになります。

独占的なソフトウェア開発者たちは、ユーザの自由を奪うために著作権を 使います。私たちは、ユーザの自由を保障するために著作権を使います。 これが、私たちが自分たちの主張を著作権、すなわち「コピーライト」を もじって「コピーレフト」と名付けた理由です。

コピーレフトは普遍的な概念であり、コピーレフトを実際に 達成するための手段は場合に応じて数多くあります。私たちが特に GNU プロジェクトで使っている配布条件は GNU 一般公共使用許諾契約書(HTML 形式 テキスト形式Texinfo形式で入手可能)に記載されてい ます。GNU 一般公共使用許諾契約書はしばしば縮めて「GNU GPL」と呼ばれて います。

コピーレフトのもうひとつの形態として、 GNU 劣等一般公共使用許諾契約書 (LGPL) (HTML 形式テキスト形式Texinfo形式で入手可能)というものも あり、いくつかの(全てではないことに注意) GNU ライブラリに適用されます。 このライセンスはかつてライブラリ GPL と呼ばれていましたが、旧称のせい でこのライセンスが、本来期待されたより高い頻度で使われるという結果になっ たため、名前を変更しました。この変更が必要になった理由については、あなたの次のライブラリにはライ ブラリ GPL を適用すべきでない理由をお読みください。

劣等 GPL によって公式に置き換えられたとはいえ、GNU ライブラリ一般公共使用許諾契約書 (HTML 形式テキスト形式)はま だ入手可能です。

GNU フリー文書利用許諾契約書 (FDL) (HTML 形式テキスト形式Texinfo 形式で入手可能)はコピーレフトの 一形態で、マニュアル、教科書やその他の文書に適用し、対象物を複製、再配 布する自由を、変更の有無、商用非商用の別に関係なくすべての人に効果的に 保証することを目的としています。

適切なライセンスは、多くのマニュアルや、GNU のソースコード配布物に それぞれ含まれています。

GNU GPL は、あなたが著作権保持者であれば、ご自分のプログラムに 簡単に適用できるようデザインされています。適用にあたって GNU GPL を書き換える必要はなく、ただあなたのプログラムに GNU GPL を適切に参照する著作権表示を書き加えるだけでよいのです。

もしあなたがご自分のプログラムを、GNU GPL を適用することでコピーレ フトにしたいのであれば、ぜひ GPL 本文の末尾(20k キャラクタ)にある説明を お読みください。また、もしあなたがご自分のプログラムを、GNU LGPL を適 用することでコピーレフトにしたいのであれば、ぜひ LGPL 本文の末尾(20k キャラクタ)にある説 明をお読みください。

数多くの異なるプログラムで同じ配布条件を適用すると、 コードを様々な異なるプログラム間でコピーすることが容易になります。 それらにはすべて同じ配布条件が与えられていますから、 配布条件が互いに矛盾するかしないかいちいち思い悩む必要はありません。 劣等 GPL には配布条件を普通の GPL に変更してもよいという 規定がありますので、あなたは LGPL が適用されたコードを GPL で保護された他のプログラムで使うことができます。


GPL の各国語訳

以下の各国語訳は非公式なものであり、法的に GNU プログラムに 適用される実際の配布条件を指定しているのは オリジナル(英語)の GPL です。

以下に挙げる翻訳を、法的に有効なものとして FSF が公式に認めないのは、 それらをチェックするのが困難で費用が高くつくからです (他の国の、二ヶ国語を使いこなせる弁護士の助けが必要となります)。 さらに悪いことに、もし「公式な」翻訳に誤りが紛れ込むと、結果として フリーソフトウェアのコミュニティ全体に災厄をもたらしかねないのです。 翻訳が非公式なものである限り、誤りがなんらかの害を為すことはありません。 私たちは以下の翻訳が GPL を理解する人びとを増やす一助となることを 望んでいます。

私たちは、翻訳を正式なバージョンの法的な代替物とみなしてはならないことを 人びとに伝えるため(1)あなたの翻訳が非公式なものであることを はっきり示し(やり方は下記参照)、また GNU の他の支持者から私たちに、 翻訳をより明確にするために変更が必要だと連絡が来た際には、 (2)私たちの求めに応じて変更を加えることに同意する限り、 GPL、LGPL、あるいは GFDL の他の言語への翻訳を発表することを許可しています。

あなたの翻訳が非公式なものであることを明示するため、翻訳の冒頭には 以下の文面を英語と、翻訳した言語で併記するよう お願いします。languageというところは 翻訳した言語名で置き換えてください。

This is an unofficial translation of the GNU General Public License into language. It was not published by the Free Software Foundation, and does not legally state the distribution terms for software that uses the GNU GPL--only the original English text of the GNU GPL does that. However, we hope that this translation will help language speakers understand the GNU GPL better.

(訳: 以下は GNU General Public License の非公式な言語名 訳です。これはフリーソフトウェア財団によって発表されたものではなく、 GNU GPL を使ったソフトウェアの配布条件を法的に有効な形で述べた ものではありません。配布条件としては GNU GPL の英語版テキストで 指定されているもののみが有効です。しかしながら、私たちは この翻訳が言語名を使用する人びとが GNU GPL をより 一層理解する助けとなることを望んでいます。)


LGPL の各国語訳

以下の各国語訳は公式なものではありません。 その理由について詳しくは、 GPL の各国語訳 をご覧下さい。

GNU LGPL を翻訳する場合にも、 GPL の翻訳をする 際にあてはまるのと同じ指針に従ってください。
また、完成したらぜひ <webmasters@www.gnu.org> に知らせてください!


GFDL の各国語訳

以下の各国語訳は公式なものではありません。 理由については GPL の翻訳 をご覧下さい。

GNU GFDL を翻訳する場合にも、 GPL の翻訳をする 際にあてはまるのと同じ指針に従ってください。
また、完成したらぜひ <webmasters@www.gnu.org> に知らせてください!


その他の読みもの


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本文に一切変更を加えず、この著作権表示を残す限り、この文章全体を いかなる媒体においてもコピーおよび配布することを許可する。

翻訳は 八田真行 <mhatta@gnu.org> が行いました。

Updated: $Date: 2002/06/17 05:41:25 $ $Author: rms46 $