私たちがヴァセナール協定について知ったのは新聞記事からでした。そこには、 暗号ソフトウェアの輸出は禁止されるだろうということ、そしてフリーソフト ウェアも例外ではないということが書かれていました。そこで私たちは、ヴァ セナール協定に加盟していない国の、暗号化のためのフリーソフトウェアを開 発したり配布したりする人を探していると発表しました。
その後、改訂されたヴァセナール協定の実際の文面が発表されました。それを 読んだところ、ヴァセナール協定にはある例外があり、フリーソフトウェアが そこに含まれていることが分かりました(彼らは「パブリックドメイン」とい う用語を使っていますが、どうやらフリーソフトウェアのようなものを念頭に 置いているようです)。したがってこの問題は思い過ごしということになりま した。
しかしながらアメリカ合衆国はそのような制限を課そうと狙い続けていますの で、将来の改定でヴァセナール条約がこれまで以上のフリーソフトウェアの輸 出規制を布くことを想定して、準備しておくほうが賢明でしょう。
以下は私たちが知る限り最新のヴァセナール協定の私たちの解釈です。これは まだ弁護士によるチェックを受けていません。
一般ソフトウェア覚書第2項によると、この協定は「パブリックドメイン」な ソフトウェアには適用されません。「パブリックドメイン」とは、取り立てて 普及に制限なしにに利用可能な技術もしくはソフトウェアと定義されています。 またこの「パブリックドメイン」状態は、プログラムに制限を与えないという 同様の文言があります。
この協定に関する議論は現在行われており、「パブリックドメイン」の定義は、 将来の会合で筋が通ったものになることでしょう。
フィンランドの役人は「パブリックドメイン」ソフトウェアと、12月3
日のヴァセナール協定が関係する限り変わることはないだろう
と言明
しました。
デンマークでは、商務省がある管理者に、PGPをダウンロードするために提供 することをやめるように通知したという出来事がおこりました。ヴァセナール 協定に抗議するページがhttp://www.wassenaar.dk/にあります。
イギリスの人は、http://www.stand.org.uk/を見ること で助けることができます。そしてこれらのキャンペーンに参加することができ ます。
最近のニュースは、オーストラリア政府が「パブリックドメインである」ソフ トウェアの定義に関連するヴァセナールリストを修正して、暗号フリーソフト ウェアの輸出を禁止していることを指摘しています。
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Keisuke Nakaoさんの訳を元に、八田真行が修正を加えました。
Updated: Last modified: Fri Mar 1 19:56:47 JST 2002